「ファクタリングは便利そうだが、違法ではないのか?」
「よく聞く”給与ファクタリング”と何が違うんだ?」
「闇金のような危ない業者に捕まりたくない…」
こんにちは。
元銀行員で、現在は中小企業の経営コンサルタントをしている坂本と申します。
法人融資担当として500社以上の資金繰りをお手伝いしてきた経験から、多くの経営者があなたと同じような不安を抱えていることを知っています。
まず、結論から申し上げます。
企業が利用する一般的なファクタリングは、民法で認められた完全に合法な資金調達手段です。
しかし、その一方で「給与ファクタリング」と呼ばれる、実質的に”闇金”そのものの悪質なサービスが存在するのも事実です。
この記事を最後まで読めば、あなたは合法で安全なファクタリングと、絶対に手を出してはいけない違法な闇金サービスを明確に見分けられるようになります。
私が銀行員時代に培った知識と経験を基に、プロの視点から徹底的に解説しますので、どうぞご安心ください。
目次
結論:ファクタリングは「債権譲渡」を根拠とする合法な資金調達です
そもそも、なぜファクタリングが「合法」と言えるのか。
その根拠からご説明します。
これは資金調達を考える上で、非常に重要な知識です。
ファクタリングが合法である法的根拠とは?
ファクタリングとは、あなたの会社が持つ「売掛債権(取引先から将来入金される予定のお金)」を、ファクタリング会社に売却して現金化する取引のことです。
これは、日本の法律である民法第466条に定められている「債権譲却」という正当な権利に基づいています。
つまり、ファクタリングは国が法律で認めている、れっきとした金融取引なのです。
銀行融資や手形割引と同じように、企業が資金を調達するための一つの選択肢であり、決して違法なものではありません。
なぜ「違法」「危ない」というイメージがあるのか?
ではなぜ、これほどまでに「ファクタリング=危ない」というイメージがつきまとっているのでしょうか。
理由は大きく2つあります。
1つは、ファクタリングという仕組みを悪用し、法外な手数料を請求する悪質な業者が一部に存在すること。
そしてもう1つが、最も大きな誤解の原因となっている「給与ファクタリング」の存在です。
これらは、私たちが話している事業者向けのファクタリングとは全くの別物です。
次の章で、この危険な存在について詳しく解説します。
【警告】「給与ファクタリング」は貸金業法違反の”闇金”です
もしあなたが「給与ファクタリング」という言葉を聞いたことがあるなら、今すぐその名前を忘れてください。
これはファクタリングという名前を騙った、紛れもない”闇金”だからです。
給与ファクタリングの仕組みとは?
給与ファクタリングとは、個人が会社から受け取る予定の「給料」を債権とみなし、それを業者が買い取るという名目のサービスです。
例えば、「10万円分の給料を8万円で買い取り、給料日になったら10万円を業者に支払う」といった取引が行われます。
一見すると債権の売買に見えますが、その実態は「8万円を借りて10万円を返す」という高金利の貸付に他なりません。
この場合の手数料2万円は、わずかな期間に対する利息であり、年利に換算すれば数百%から千数百%にも達します。
金融庁・最高裁判所も「違法」と断定
この悪質な手口に対し、国の機関も明確に「違法」との判断を下しています。
金融庁は、給与ファクタリングは実質的に「貸付」であり、サービスを提供する業者は貸金業法に基づく登録が必須であるとの見解を示しています。
無登録で営業すれば、当然ながら貸金業法違反です。
さらに決定的となったのが、令和5年の最高裁判所の判断です。
最高裁は「給与ファクタリングは貸付けにあたる」と断定しました。
これにより、給与ファクタリング業者が闇金であることが、司法の場でも確定したのです。
事業者向けのファクタリングと、給与ファクタリングは全くの別物です。
この違いを、まずはっきりと認識してください。
【元銀行員が解説】合法ファクタリングと闇金業者の決定的違い
「給与ファクタリングが違法なのは分かった。でも、事業者向けファクタリングの中にも悪質な業者はいるのでは?」
その通りです。
そこで、私が銀行員時代に融資先の審査などで見てきた経験を基に、安全なファクタリング会社と闇金業者を明確に見分けるための3つの比較ポイントを解説します。
| 比較ポイント | 合法なファクタリング会社 | 闇金業者(給与ファクタリング等) |
|---|---|---|
| 手数料率 | 2社間:8~20% 3社間:1~9%(年利換算ではない) | 数十%~数百%(年利換算で数百~千数百%) |
| 契約書の形式 | 債権譲渡契約書(償還請求権なし) | 金銭消費貸借契約書(償還請求権あり) |
| 審査の対象 | 売掛先の信用力 | 申込者個人の返済能力 |
比較ポイント1:手数料率
手数料は、最も分かりやすい判断基準です。
合法なファクタリング会社の手数料は、取引形態によって異なります。
- 3社間ファクタリング(売掛先の承諾を得る):1%~9%程度
- 2社間ファクタリング(売掛先に通知しない):8%~20%程度
これは、売掛債権の額面に対する「1回きり」の手数料です。
一方で闇金業者は、年利に換算すると数百%を超える法外な手数料(利息)を請求してきます。
もし提示された手数料が相場から著しく逸脱している場合は、即座に取引を中止すべきです。
比較ポイント2:契約書の形式
契約書は、取引の性質を決定づける最も重要な証拠です。
合法なファクタリング契約は、必ず「債権譲渡契約書」という名称になっています。
そして、契約書の中で必ず確認すべきなのが「償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)」の有無です。
償還請求権「なし」(ノンリコース)が、本物のファクタリングの証です。
これは、万が一売掛先が倒産して売掛金が回収できなくなったとしても、あなたが返済の責任を負う必要がないことを意味します。
あくまで債権の売買であり、リスクはファクタリング会社が負うのです。
もし契約書が「金銭消費貸借契約書」であったり、「償還請求権あり」と記載されていたりする場合は、それはファクタリングを装った貸付(融資)であり、闇金業者の典型的な手口です。
比較ポイント3:審査の対象
銀行員として多くの審査を行ってきたからこそ断言できますが、誰を審査の対象としているかを見れば、その業者の本質が分かります。
合法なファクタリング会社が最も重視するのは、あなたの会社ではなく、「売掛先の信用力」です。
なぜなら、ファクタリング会社にとってのリスクは「売掛先が期日通りに支払いをしてくれるか」という点にあるからです。
そのため、あなたの会社が赤字決算や債務超過であっても、売掛先の信用力が高ければ利用できる可能性は十分にあります。
一方で闇金業者は、実態が貸付であるため、お金を貸す相手、つまり「申込者(あなた)の返済能力」を審査します。
これは銀行の融資審査と同じ考え方であり、債権の売買とは全く異なるものです。
安全なファクタリング会社を選ぶための5つのチェックリスト
ここまで解説したポイントを踏まえ、あなたが実際に安全なファクタリング会社を選ぶための具体的なチェックリストを作成しました。
最低でも、以下の5項目は必ず確認してください。
- 手数料の範囲が明記されているか?
ウェブサイトなどに、手数料の上限と下限が明確に記載されているかを確認します。「手数料2%~」としか書かれていない場合は注意が必要です。 - 契約形態は「債権譲渡契約」か?
契約前にはっきりと確認し、契約書に「償還請求権なし(ノンリコース)」の条項があることを自分の目で確かめてください。 - 運営会社の情報が明記されているか?
会社の所在地(レンタルオフィスではないか)、固定電話の番号、代表者名などがきちんと公開されているかは、信頼できる企業としての最低条件です。 - 法外な請求をされないか?
手数料以外に、出張費、査定料、コンサルティング料など、不明瞭な名目で高額な費用を請求してくる業者は悪質である可能性が非常に高いです。 - 口コミや評判が悪くないか?
会社名で検索し、実際の利用者の声を確認することも重要です。ただし、良い口コミばかりが並んでいる場合も不自然です。悪い評判の内容を精査し、その信憑性を判断する視点を持つことが大切です。
もし違法業者を利用してしまったら?一人で悩まず専門家へ相談を
万が一、悪質な業者と契約してしまい、脅迫めいた取り立てや法外な請求に悩んでしまった場合、絶対に一人で抱え込まないでください。
お金を払い続ける必要は一切ありません。すぐに以下の専門機関へ相談すべきです。
すぐに相談すべき専門機関
- 警察の相談専用窓口:#9110
脅迫や悪質な取り立てを受けている場合は、迷わず警察に相談してください。 - 金融庁 金融サービス利用者相談室
貸金業法違反が疑われる業者に関する情報提供や相談が可能です。 - 日本貸金業協会
違法な金融業者からの借入れに関する相談窓口を設けています。 - 法テラス(日本司法支援センター)
経済的な余裕がない場合でも、無料で法律相談を受けられる制度があります。弁護士や司法書士への相談が可能です。
まとめ
今回は、ファクタリングの合法性と、違法な闇金業者との見分け方について、元銀行員の視点から詳しく解説しました。
最後に、本日の要点をもう一度確認しましょう。
- 事業者向けのファクタリングは、民法の「債権譲渡」に基づく完全に合法な取引です。
- 「給与ファクタリング」は、ファクタリングの名を騙った実質的な”闇金”であり、金融庁や最高裁も違法と断定しています。絶対に利用してはいけません。
- 合法な業者と闇金は「手数料率」「契約書の形式(償還請求権の有無)」「審査の対象」で明確に見分けられます。
- 安全な会社を選ぶ際は、必ず5つのチェックリストを活用してください。
正しい知識は、あなたの会社を危機から救う最強の武器となります。
資金繰りは経営の根幹であり、時に厳しい判断を迫られる場面もあるでしょう。
しかし、どんなに切羽詰まった状況でも、違法な業者に手を出してはいけません。
必ず、健全な解決策は存在します。
この記事が、あなたの正しい判断の一助となれば幸いです。
